この記事では、実際に職業訓練の応募を考えている人のために解説していきます。
職業訓練の厳しさだったり、いくらぐらい費用がかかるのか。また、コースの選び方などを紹介していきます。
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職業訓練のコースの種類
最近の職業訓練校の特徴として、時代に合わせたIT(情報技術)やOAなどのコースが充実しています。
従来の職業訓練校では就職率が高いという理由から、機械整備や金属加工、電気設備・通信などの分野が大半を占めていましたが、最近では生産性を上げるために事務作業にもパソコンなどによる情報処理が欠かせないという状況があり、企業のニーズに対応する形で、情報技術や情報処理に関しても幅広いジャンルのコースがあります。
職業訓練の応募資格
ハロワークトレーニングは働こうとしている人であれば、すべての人に応募資格があります。
仕事を探している人だけでなく、現在仕事をしている人も対象です。
公共職業訓練では、ハロワークで職業訓練が必要と認定されれば、雇用保険の基本手当を受給しながら訓練を行うことが可能です。
訓練延長給付という制度がありますので、残りの支給期間が短い場合でも訓練期間中は基本手当の支給が延長される場合があります。
求職者支援訓練では、職業訓練受講給付金を毎月10万円を受け取ることができます。
雇用保険受給資格者証なら「公共職業訓練(離職者訓練)」。
雇用保険の受給資格がない人は、「求職者支援訓練」を受けることになります。
訓練は厳しいものではなく、専門学校と同じくらい
訓練は厳しいのでは?と心配になる人もいるかもしれませんが、一般の専門学校と職業訓練校との間にそれほど大きな違いはありません。
当然、技術系のコースを選択していれば通常の授業の他に各種の機械、機器などを使用した実習も多くなりますが、その様子を見学すれば、専門学校や一般的なスクールと同じような印象を受ける人がほとんどです。
また、一般の専門学校と同じく土曜日と日曜日は休みになりますが、1年以上の長期コースでは、夏休みと冬休みがあり、2年のコースでは春休みもあります。
6ヶ月のコースでも夏休み冬休みがありますので、ある程度ゆったりとした時間で訓練を続けることができます。
訓練にかかる費用は、対象者やコースによって異なる
離職者を対象としたハロワークのトレーニングは公的な制度であるため、基本的に受講料は無料です。ただし、テキスト代等は自己負担になります。
テキスト代は訓練の内容によっても異なりますが、だいたい1万円前後のコースが多いです。
ただし、在職者や学卒者を対象とした訓練は有料です。
在職者向けの訓練では、受講料として1万円から3万円前後かかるコースが多いようです。
高校新卒者等を対象とした訓練の場合、比較的費用が高くなる工業系のコースでは、初年度に10万円程度かかる訓練校が多いです。
機械や建築の長期コースを選択する場合は、教材費の他に作業服を購入したり、検定費用なども必要となるからです。
一般の専門学校などに比べれば、その費用はトータルで見ても随分と少ない金額で収まりますが、入学時に一括で支払いをする場合もありますので、費用の負担が厳しい場合には分割での支払いが可能であるかなどを事前に確認しておきましょう。
工業系に比べて事務系のコースを選択した場合、費用は安く収まります。
教材費としてだいたい3万円程度を見積もっておけば問題ありません。
コース(訓練)の選び方
訓練のコースを選ぶ行為はそれが今後の自身の職業を決める行為と同じことですので、慎重に考えて選択する必要があります。
就職率が厳しい社会状況では、コースを選ぶ際に就職率がとても重要視されています。
もちろん職業訓練校に通う最終目的は就職することですから、修了後に就職できなければ意味がありません。
しかし、人には適正というものがあり、向き不向きがあります。
就職率が高いということだけで、無理に興味が持てな訓練コースを選び、何とか就職したとしても、やはり自分には不向きだったと後になって気づき、仕事を辞めることになっては訓練校で苦労して身につけた技術や技能がムダになってしまいます。
まずコースを選ぶ際には、自分の適性についても考慮しておきたいとことです。
職業訓練のコースは沢山あるので、どのように絞っていけばよいのか分からなくなる人もいるかと思います。
参考にして欲しいコースの選び方を5つ紹介していきます。
- 求人倍率や修了率、サポート体制で選ぶ
- 通いやすさやで選ぶ
- 資格を無試験で取得できるコースを選ぶ
- Uターン・Iターンのコースを選ぶ
- 訓練期間で選ぶ
それぞれわかりやすく解説していきます。
求人倍率や修了率、サポート体制で選ぶ
せっかく就職率が高い人気のコースを選択しながら、訓練内容が思ったより難しかったり、事前に思っていたイメージ違うという理由から、修了率がとても低いコースも存在します。
そこで、コースの修了率を把握したうえで、内容を確認したり実際に見学してみるという選び方もあります。
また、求人倍率も参考にすべきポイントです。
訓練を修了したからと言って、自動的にスクール側が就職先を見つけてくれるわけではありません。
求職活動には地元のハローワークからの求人情報が頼りになるわけですが、訓練校によっては求人件数に大きく違いがあることがあります。
その場合は当然求人情報が多く集まる訓練校の方が有利です。
他にも、就職するためのノウハウとして、面接の受け方や履歴書の書き方などを指導しているところもありますので、サポート体制についても確認しておくと良いです。
通いやすさやで選ぶ
通学にかかる費用なども事前に確認しておきたいポイントです。
職業訓練校の中には、交通の便の悪いとことに立地しているスクールも少なくありません。その場合は、解決手段が用意されてるかどうかを確認しましょう。
たとえば、学校施設か駅から離れた場所にあり、バスなどの公共交通機関が少なくてもマイカー通学が許可されているのであれば、問題が解決する人もいるでしょう。
また、自転車で通える距離であれば問題ないという人もいます。
これは自分が現在、居住している場所に異なりますが、訓練校が寄宿舎を用意している場合は、そこを利用すれば問題が解決することも考えられます。
環境のよいところで通学時間や生活費に煩わされず、訓練に集中できるのはとても魅力的です。
このように、訓練に通うために住む場所を変えることも検討できるのであれば、これは交通の便以上に有利な点が多くあります。
条件のよいところは人気があるので必ず入居できるとは限りませんが、経済性、利便性を求めるのであれば事前に入居状況を確認してみる価値はあります。
月に3万円程度の費用で済むところもありますので、自分でアパートを契約して生活する場合と比べてみるとかかる費用はとても少なくなります。
資格を無試験で取得できるコースを選ぶ
無試験で資格を取得できるコースが稀にあります。
通常であれば、学科と実技からなる国家資格に合格して、はじめて取得できる資格を卒業者全員に無試験で与えるコースもあります。
経済産業大臣が資格者養成校に指定している訓練校が対象ですが、第二種電気工事士や技能士補などにも、指定校として認められているコースがあります。
コースの修了者は国が指定した養成コースの修了者ですから、資格者に必要とされる技能や知識が身についているものとみなされるわけです。
眉唾物の好条件ですが、うれしいのは無試験だけではなく、授業料の面でも有利な点があることです。
たとえば第二種電気工事士の場合、一般のスクールで通常のコースを選択すると、年間100万円近く授業料がかかることがありますが、指定校のコースであれば年間の授業料は10万円程度ですむことがあります。
電気関係で長期(1年以上)のコースであれば一般のスクールでも指定校になっている場合も少なくありません。
そのため、技術系の資格取得を考えている方だけではなく、資格に対して費用対効果を重視している方にもおすすめしたいコースです。
Uターン・Iターンのコースを選ぶ
仕事の多い都市部で就職活動をしている人も多いと思いますが、職業訓練については地方の職業訓練に入校するという手もあります。
これを、Uターン・Iターンのコースといいます。
〈Uターン〉
地方出身者が都市部で就職し、離職後に出身地で職業訓練を受けることをUターン訓練といいます。
〈Iターン〉
都市部の出身者が都市部で離職後、地方で職業訓練を受けることをIターン訓練といいます。
実家を離れて都市部で生活している人の場合は、実家から訓練校に通えるのであれば、費用の面でかなり有利になりますし、都市部の出身者であっても、よりよい条件を求めて全国を対象に訓練校を選択することが可能になります。
費用の面だけではなく、マイカー通学が可能であったり校舎の立地が便利であったり、新築の宿舎で快適に訓練ができたりと、自分が重要視するさまざまなポイントから選択することが可能になります。
また、都会で入りにくい人気のコースであっても地方の訓練校であれば比較的簡単には入れることもありますし、第二種電気工事士のように、指定校なら国家資格が免除されますので、そのようなコースを全国から選ぶのもよい方法です。
訓練期間で選ぶ
コースの選び方によっては、訓練期間についても考えるべきです。
前職の経験を活かし、新たな技術を身につけたいと考えるなら3カ月の短期コースで十分な場合もあるでしょう。
逆に前職が自分に向いていないと感じていたのであれば、新しいスキルを修得するのがよいでしょう。
その場合、は選択する技術、技能によっては6ヶ月から1年以上の訓練を求められるコースを選択する必要も出てきます。
このように自分の選択する仕方でコースの選び方も変わってきます。
また、年齢を考慮してコースを選ぶ場合に注意が必要なのは応募制限についてです。
若年向けのコースには年齢制限がありますが、対象年齢を超えていたら絶対に受講できないというものでもありません。
年齢制限についてはおおむね表記になっている場合が多いので、どうしても受講したいコースがあれば、訓練校に確認してみる価値はあります。
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