社会保障

職業訓練はどこの施設でやっているのか?

職業訓練はどこの施設でやっているのか?

この記事では、「職業訓練をやっている施設」について解説していきます。


職業訓練はどこでもやっているわけではなく、決まった施設で行われています。

あらかじめ訓練先のイメージをつかんでおくことで、スムーズに訓練生活に入れるかもしれません。


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職業訓練をやっている5つの施設

職業訓練をやっている5つの施設

職業訓練は、下記の5つの施設で行っています。

  1. 都道府県立技術専門校
  2. 雇用・能力開発機構都道府県センター
  3. ポリテクセンター
  4. ポリテクカレッジ
  5. 都道府県立(産業)技術短期大学校


それぞれ詳しく解説していきます。


1.都道府県立技術専門校

都道府県が運営しているプロパーの職業訓練校が「技術専門校」です。

大体どこの都道府県でも、県内に3~5校設置されていますが、奈良県や佐賀県のように1校しか設置されていないところもあります。


逆に、全国で最も設置校が多いのは14校ある東京都ですが、それに続く2位は北海道です。

道内に10校もあり、埼玉県の7校よりも多いです。


名前は、「高等技術専門校」としているところが最も多いのですが、「産業技術専門学院」(茨木)や「産業技術学校」(栃木)など、都道府県によって微妙に異なります。

このタイプの訓練スクールの特徴は、新卒者または若年者向け(おおむね30歳以下または41歳以下)の1、2年コースが設置されている点です。


科目は工業系のものがメインになりますが、訓練期間が長いほどおおむね就職率も高いですから、自分が就職を志望する分野とマッチすれば、激安でスキルアップできる機関となります。


2.雇用・能力開発機構都道府県センター

能力開発機構とは、厚生労働省の外郭組織で、国に代わって雇用や労働に関する各種助成金を出しているところなのですが、その業務の一環として職業能力開発事業も行っています。

各都道府県において実務を担当しているのが機構・都道府県センターで、全国の都道府県すべてに設置されています。

ここが主になっているのですが、民間の専門学校に委託した標準3ヶ月の短期訓練です。


民間専門学校で行われる委託訓練については、都道府県が実施するよりも、機構実施のほうがコース数はずっと多く、バラエティーにも富んでいる地方もありますから、その手の訓練を探す場合は、真っ先にここにあたるのが鉄則です。


3.ポリテクセンター

都道府県が運営している技術専門校に対して、各地の機構支部が直接運営する国営の訓練施設が、「ポリテクセンター」です。

正式には「職業能力開発促進センター」と呼び、東京を除くすべての道府県に1か所以上設置(62ヵ所)されており、そのすべてで「アビリティコース」(6ヶ月が標準)と呼ばれる離職者向けの再就職訓練が行われています。


都道府県運営の技術専門校との違いは、若年者向けの長期コースが設置されていないことくらいで、訓練科目のラインナップ工業系や建設系が多い点などは、技術専門校とほぼ同じです。

いわば、県立が技術専門校、国立がポリテクセンターというわけです。


なお、平成17年度より、機構の組織統合が進められた結果、ポリテクセンターと同じ施設内に都道府県センターが移転しています。


4.ポリテクカレッジ

ポリテクカレッジとは、正式には「職業能力開発(短期)大学校」と呼ばれる厚生労働省管轄の教育訓練機関のことで、現在全国に27か所設置されています。

位置づけとしては、主に新規高卒者を対象とした「技術系大学(または短大)」ですので、学費は当然のことながら有料(年間約40万円)です(失業手当の延長給付も対象外)。


そう聞くと、一般の勤労者にはまったく縁のないスクールと思いがちですが、おおいに関係があるのです。

実は、本科とは別に、この施設内で「離職者向け訓練」(6ヶ月のアビリティコース)が行われていることもあり、こちらのコースは、学費無料(失業手当延長給付対象)です。


さらに平成16年度から、おおむね35歳以下(現在は41歳以下のケースもあり)でキャリアのない若年者を対象とした「日本版デュアルシステム」と呼ばれる訓練が行われているケースもあります(ただし、1年以上のコースは原則として有料)。


関連機関のホームページから募集情報にアクセスする場合、スキルアップを目指すほとんどの人は「自分には関係ない」と流してしまうため、大きな盲点となっている訓練機関です。


5.都道府県立(産業)技術短期大学校

厚生労働省が直接運営しているポリテクカレッジとは別に、都道府県が独自に設置している技術系大学校も公立の職業訓練施設の一つです(名称は、産業技術短期大学校や工科大学校など)。


高校新卒者を主に対象とした2年程度で、即戦力として活躍できる工業系の技術者を養成する目的で設立された教育訓練機関という面では、ポリテクカレッジとまったく同じです。


こちらも本科は、年間約40万円程度の授業料がかかり失業手当の延長給付も対象外となれば、一般の勤労者にはまったく縁のないところと解釈しがちです。


ところが、県立の大学校でも、2年課程の本科とは別に、離転職者向けの短期訓練を実施(または民間専門学校へ訓練を委託)しているケースがまれにあるので注意が必要です。


最近は、福島県や茨木県のように、同じ敷地内に、技術短期大学校と技術専門校を併設しているところもあります。



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