この記事では、「自宅で療養を受ける場合の費用(訪問看護療養費)」について解説していきます。
療養が行われる場所は医療施設だけとは限らず、自宅で行われる場合もあります。
最近では人生の終末を自宅で迎えたいという方も増えてきており、自宅療養のニーズが高まってきています。
この記事を読めば、訪問看護療養費の「各公的医療保険それぞれの詳細」を知ることができます。
この記事では、70歳未満の場合について解説していきます。70歳以上の場合を知りたい方は下記のリンクを参照してください。
訪問看護療養費とは
難病患者、末期がん患者など、自宅において継続して療養を受ける人が、医師の指示に基づいて訪問看護ステーション等から訪問看護(難病観察、清拭・洗髪、床ずれ予防措置などのサービス)を受けた場合に、訪問看護療養費が支給されます。
なお、介護保険の要介護者等と認定された人に対する同サービスは介護保険からの給付となりますが、末期悪性腫瘍、難病患者、急性増悪等による主治医の指示があった場合などに限り、医療保険から給付されます。
公的医療保険の違いによる「訪問看護療養費」の詳細
公的医療保険の種類は全部で下記の5つがあります。
- 健康保険
- 共済組合
- 船員保険
- 国民健康保険
- 後期高齢者医療
加入している公的医療保険によって保障内容に若干の違いがあります。
それぞれわかりやすく解説していきます。
健康保険(一般保険者)
給付割合
給付割合は7割となり、基本利用料として3割を自己負担になります。
なお、自己負担が高額になる場合は、事前に限度額適用認定証等を提示すれば、1ヶ月の負担額が高額療養費の自己負担限度額までとなります。
また、交通費、おむつ代などは別途負担します。
受給方法
訪問看護ステーション等に被保険者証を提示することで受給を開始することができます。
問合わせ先
事業所を管轄している全国健康保険協会都道府県支部または加入する健保組合に照会してください。
付加給付の可能性
健保組合によっては、付加給付があります。
加入する健保組合に照会してください。
健康保険(日雇特例被保険者)
給付割合
給付割合は7割となり、基本利用料として3割を自己負担になります。
なお、自己負担が高額になる場合は、事前に限度額適用認定証等を提示すれば、1ヶ月の負担額が高額療養費の自己負担限度額までとなります。
また、交通費、おむつ代などは別途負担します。
受給方法
受給要件を満たしていることの確認印のある受給資格者票を訪問看護ステーション等に提示することで、受給を開始することができます。
問合わせ先
問合わせ先は、住所地または居住地の全国健康保険協会都道府県支部になります。
その他
保険料の納付状況によっては支給の対象にならないこともあります。
全国健康保険協会都道府県支部または委託市町村に被保険者手帳を提示して確認してください。
国民健康保険
おおむね健康保険と同じですが、義務教育就学前までの乳幼児の給付割合は8割、自己負担は2割となります。
問合わせ先
問合わせ先は、居住の市区町村役場または加入する国保組合になります。
船員保険
おおむね健康保険と同じです。
問合わせ先
問合わせ先は、全国健康保険協会船員保険部になります。
共済組合等
健康保険と同じです。
問合わせ先
問合わせ先は、加入する共済組合等になります。
その他
共済組合等によっては、付加給付があります。
加入する共済組合等に照会してください。
在宅医療を受ける患者の人口比とニーズ
自宅で療養して、必要になれば医療機関等を利用したいと回答した者の割合を合わせると、60%以上の国民が「自宅で療養したい」と回答しました(上図)。
また要介護状態になっても、自宅や子供・親族の家での介護を希望する人が4割を超えています(下図)。
住み慣れた環境でできるだけ長く過ごせるよう、また望む人は自宅での看取りも選択肢になるよう、在宅医療を推進していく必要があります。
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【まとめ】医療費に関する社会保障の種類をわかりやすく解説
公的医療保険は業務上(公務・職務上)のもの以外の病気やケガについて、医療(現物)と医療費、また療養中の生活費の保障を第一の目的とした社会保険です。国民はだれでもいずれかの公的医療保険に加入者本人または ...
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