社会保障

求職者支援訓練とは?給付金を受けるための7つの条件と注意点

求職者支援制度とは?給付金を受けるための7つの条件と注意点

この記事では、「求職者支援訓練」について解説していきます。


雇用保険に加入していないと、職業訓練中に受け取れる手当がないと思っている人も多いと思います。

日本の社会保障には、失業手当を受け取れない方にも安心して職業訓練を受けられるようにサポートする制度が存在します。


この記事を読めば、求職者支援訓練の「給付金を受けるための7つの条件」「注意点」を知ることができます。


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求職者支援訓練とは

求職者支援制度とは

ハロートレーニングには、雇用保険の受給資格がない方を対象とした制度があります。これが求職者支援訓練です。


求職者支援訓練では、公共職業訓練のように、失業手当を受けながら訓練を受講することができません。

しかし、訓練期間中に収入がまったくないと生活が苦しくなり、職業訓練に専念できない可能性があります。

これでは、職業訓練を通じてスキルアップや早期就職を目指すというハロートレーニングの目的を果たすことはできません。


そこで、求職者支援訓練の受講者を対象に、求職者支援制度があります。

この制度を利用すれば、訓練期間中に収入のない人でも職業訓練受講手当(月額10万円)を受け取ることができます。


不正受給については、不正受給額(3倍額まで)の納付・返還のペナルティが課せられます。


給付金額

給付金支給単位期間(※)ごとに10万円を受け取ることができます。

たとえば、10ヶ月の職業訓練を受講した場合、合計で100万円を受け取ることが可能です。


ただし、日数が28日未満の給付金支給単位期間については、3,580円×日数が支給されます。


あわせて交通費及び寄宿する際の費用(ともに所定の額)も支給されます。

(※)

「支給単位期間」とは、訓練の開始日から1か月ごとに区切った期間のことです。



給付を受けられる日数

12ヶ月(必要な場合は24ヶ月)の給付金支給単位期間について支給されます。


直前に給付金の支給を受けた訓練の最初の支給単位期間の初日から6年を経過しない場合には支給しません。


手続き

求職者支援制度を利用するには、ハロワークの支援指示を受けなければなりません。

支援指示を受けるには、ハロワークで職業訓練の申込みと同時に事前審査の申請をしなければなりません。


職業訓練受講手当の支給を受けるには、事前審査に合格した後も、毎月ハローワークで月ごとの支給申請を行う必要があります。

支給申請を怠ると給付が受けられなくなるので注意しましょう。


給付金を受けるための7つ条件

給付金を受けるための7つ条件

求職者支援訓練を受講する全ての人に対して、職業訓練受講手当が支給されるわけではありません。


支給の対象となるのは下記の7つの条件を充たす特定求職者だけです。

  1. 収入が8万円以下であること
  2. 世帯(※)の収入が25万円以下であること
  3. 世帯の金融資産が300万円以下であること
  4. 現に居住する土地・建物以外に土地・建物を所有していないこと
  5. 訓練の全ての実施日に訓練を受講していること
    (やむを得ない理由により受講しなかった実施日がある場合にあっては、8割以上)
  6. 世帯の中で他に当該給付金を受給し、訓練を受講している者がいないこと
  7. 過去3年以内に失業等給付等の不正受給をしていないこと


(※)

世帯=同居の又は生計を一にする別居の配偶者、子及び父母のことです。



求職者支援制度は早期就職を目指す人が、安定して職業訓練や求職活動を行うための制度です。

そのため、訓練を遅刻・欠席したり、ハローワークの就職支援を拒否したりすると給付を受け取ることができなくなります。


場合によっては、訓練の受講ができなくなったり、受け取った手当の返金命令が行われる場合もあるので注意しましょう。


求職者支援制度の注意点

求職者支援制度の注意点

選考に合格しなければ給付金をうけられない

給付金を受けるための7つ条件を満たしていても給付金を受けられるわけではありません。


訓練校にて行われる選考(学科試験、面接試験等)に合格することで、はじめて訓練を受けることができ、給付金を受け取ることができるようになります。

不合格の場合は訓練を受けられず、給付金を受けられません。


雇用保険を受給中の方も受けられる可能性がある

求職者支援訓練は、主に雇用保険を受給できない方を対象としていますが、ハローワークで相談する中で、求職者支援訓練の受講が本人の就職に適した訓練であると判断された場合は、雇用保険受給中であっても求職者支援訓練を受講可能です。


ただし、訓練受講中の雇用保険の延長は行われません。


求職者支援訓練の種類

求職者支援訓練は、民間訓練機関が厚生労働大臣の認定を受けて行います。


社会人としての基礎的能力及び短時間で習得できる技能等を習得する「基礎コース」と、就職希望職種における職務遂行のための実践的な技能等を習得する「実践コース」があります。

訓練期間は、1コース2か月から6か月までです。


受講費は無料

求職者支援訓練を受講する際には、受講料等はかかりません。ただし、テキスト代等の実費は各自の負担となります。


寄宿費とは

寄宿手当とは、職業訓練受講給付金の支給要件を満たす方が、求職者支援訓練または公共職業訓練を受けるために、同居の配偶者などと別居して寄宿する場合、「職業訓練受講給付金」(月 10 万円+通所手当)に加え、月に 10,700 円支払われる手当です。


託児所のある訓練コースもある

コースによっては、託児サービスがある訓練コースがあので、育児中の方でも訓練が可能です。

また、短時間(一日3時間)の訓練コースもありますので、ハローワークに相談をしてください。


本人収入には何が含まれるのか

税引前の稼得収入及びその他収入全般が対象となります。


稼得収入には、賃金(賞与を含む。)、個人事業者の事業収入(経費を差し引いた控除後の額)、役員報酬、不動産賃貸収入(経費を差し引いた控除後の額)等が含まれます。


その他収入には、各種年金を含む税引前の収入全般が対象となります が、特定の使途・目的のために支給される手当・給付(児童扶養手当、児童手当等)や各種保険金(生命保険、損害保険、学資保険)等については算定の対象外となります。


未成年の収入は世帯収入に含まれるのか

未成年であり、かつ、就学中の子(就学年齢前の子も含みます。)の収入は0円とみなされます。


公共職業訓練を受講しながら職業訓練受講給付金を受けられるのか

ハローワークで相談する中で、求職者支援訓練より公共職業訓練の方が就職のために適した訓練であるとハローワークが判断した場合は、公共職業訓練も受講可能であり、要件を満たせば、職業訓練受講給付金も受けられます。



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