社会保障

訓練延長給付とは?給付の条件や注意点、残日数をわかりやすく解説

訓練延長給付とは?給付の条件や注意点、残日数をわかりやすく解説

この記事では、訓練延長給付について解説していきます。


就職するための技術や知識を身につけたいと思っていても、その間の生活費がなければ訓練することはできません。

日本の社会保障には、職業訓練中の方を対象に、訓練に専念できるように失業手当を延長をする制度があります。


この記事を読めば、訓練延長給付の「詳細」「利用するための条件」を解説していきます。


 

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訓練延長給付とは

訓練延長給付とは

失業中の人が職業訓練を受け、知識や技能を修得すると就職の可能性が高まるだけでなく、今後の失業にも備えることができます。

その意味で、労働者の技能が高まることは、失業手当を支払う国にとっても望ましいことです。


そのため、労働者が、職業訓練に専念できるように、失業手当の支給を継続する訓練延長給付という制度が整備されています。

この制度を利用すると、失業手当の所定給付日数が一定数残っているうちに、訓練の受講を開始すると、訓練が終わるまで手当の支給が延長されます。


この制度を活用すれば、失業手当の所定給付日数が短い人でも、給付日数を増やすことが可能です。

たとえば、所定の給付日数が90日の人(給付制限なし)が、6ヶ月の職業訓練を受講した場合、この制度を活用すると、最長で270日の失業手当を受け取れる計算になります。


訓練延長給付の給付期間

訓練延長給付は下記の3つの期間で利用できます。

  1. 訓練を受けるための待期期間(最長90日)
  2. 訓練の受講期間(最長2年)
  3. 訓練後の再就職活動中の期間(最長30日)


ただし、後述する「給付制限や所定給付日数」によって違いはあるものの、原則として、所定給付日数の2/3の日数分の支給を受け終わるまでに訓練を開始しないと、延長給付を受けられません。


たとえば、所定給付日数が180日以上の人は、所定給付日数の61日以上の支給残日数がなければいけません。


このような制限があるのは、失業手当を延長するためだけに、受給資格が切れる間際になって、訓練を受講するような「制度の悪用」を防止するためです。


訓練を受講するために必要な支給残日数

所定給付日数 90 120 150 180 210 240 270 300 330
訓練開始日での
支給残日数
(支給制限なし)
1日 1日 31日 61日 71日 91日 121日 151日 181日
訓練開始日での
支給残日数
(支給制限あり)
31日 41日 51日 61日 71日 91日 121日 151日 181日



所定給付日数を引きのばす方法

最近は、どのコースも競争率が高く、選考を突破するのに時間がかかり、受講開始までに所定の給付日数分の手当が無くなってしまう可能性もあります。

こうした事態を回避する方法として、支給中にアルバイトをして、所定給付日数の最終日を後ろにスライドさせるという方法があります。


たとえば、、所定の給付日数が120日の人が、就業手当が支給となる時期(支給残日数が45日以上かつ所定給付日数の1/3以上)以外の期間に、アルバイトをしたとします。

すると、その分の日数分の手当は、本来の給付終了日である120日目以降に先送りになります。


それによって、所定給付日数の手当をすべて使いきる期日を遅らせることができるのです。

ただし、この条件を満たすのは給付制限がある所定給付日数が90~150日の人に限定されます。


訓練延長給付を利用するための条件

訓練延長給付を利用するための条件

訓練延長給付にはさまざまな条件があります。

  • 給付を受けるにはハローワークの受講指示が必要
  • 受講指示は必ず貰えるわけではない
  • 退職前でも訓練に応募できる
  • 併願は禁止
  • 1年を待たないと新たな訓練を受講できない
  • アルバイトをしながら訓練をする場合、手当は消滅する
  • 会社都合の退職者や地元在住者が優先される


それぞれわかりやすく解説していきます。


給付を受けるにはハローワークの受講指示が必要

訓練延長給付を利用するには、ハロワークの受講指示が必要です。

受講指示を受けるには、失業手当の受給手続きをハロワークで申し込みをします。


申込を受けたハロワークは、職業訓練を受けることで就職が容易になると判断すれば、受講指示を出します。

訓練延長給付は所定給付日数分の失業手当を使い切った後では受給できませんので、コースの募集期間や開講時期をチェックして、失業手当の受給資格のあるうちに入校できるコースを探すことになります。


受講指示は必ず貰えるわけではない

訓練延長給付を受けるには、ハロワークに受講指示の申込みをする必要があります。

しかし、手続きをすれば必ず受講指示が貰えるわけではありません。


申込を受けたハローワークの担当者はその人が現状では就職できる可能性が低いものの、訓練を受ければ就職できる可能性が高まると判断した場合に受講指示を出します。


そもそも、公共職業訓練は、そのままでは就職が難しい人に対して訓練を行うことで就職を支援する制度です。

ハローワークの担当者は、この制度の趣旨に沿って、受講指示を出すか否かを判断するわけです。


したがって、延長給付のみを目的とした申し込みや、給付制限の解除のみを目的とした申し込みのように、制度の趣旨に反するような申込みについては受講指示が出ません。


退職前でも訓練に応募できる

訓練開始までに退職することが確定していれば、退職前でも訓練に応募できるというルールがあります(一部例外あり)。


このルールを活用すると、雇用保険の受給権が確定した後、すぐに訓練を開始することが可能になり、給付制限期間を短縮できます。


併願は禁止

職業訓練の申込みについては、併願が禁止というルールがあります。


一度の応募できる訓練は一つだけです。しっかりと期間を管理しないと所定給付日数がなくなり、訓練に応募できなくなってしまうので注意しましょう。


1年を待たないと新たな訓練を受講できない

1つの訓練を修了(または途中退校)してから、1年経たないと新たな訓練を受講できないというルールがあります。


このルールがある結果、失業手当をもらいながら訓練を受けられるチャンスは、一度の失業で1回だけということになります。


アルバイトをしながら訓練をする場合の手当

失業手当を受給している人がアルバイトをした場合には、働いた日の手当の支給は先送りにならず、完全に消滅するというルールがあります。


ただし、1日4時間、週20時間未満の勤務だと、手当が全額支給される場合もあります。



会社都合の退職者や地元在住者が優先される

選考に関するルールには、自己都合による退職の方よりも、会社都合による退職者の方が優先されるというルールがあります。


また、他県からの応募者よりも、地元在住者の方が優先されるというルールもあります。


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