ある程度の収入や資産のある親と同居していると、公的な援助を受けられない場合がありますが、受講給付金の場合はどうなるのでしょうか?
わかりやすく解説していきます。
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親と同居していると給付金をもらえないのか?
「親と同居しているために、給付金の受給資格を満たせそうもないが、給付金なしでは訓練を受けられない」
そんな悩みを抱えている人のために、受講給付金の要件について詳しく解説していきます。
世帯分離は受講給付金にも適用されるのか?
求職者支援制度に限らず、親と同居していると公的制度で損するケースが少なくありません。
たとえば、国民健康保険には、一定以下の所得の人は、保険料を大幅に減免してくれる措置があるのですが、親と同居している人は、なぜか本人だけでなく、同居している親の所得も保険料減免の審査対象となって、その結果、いくら本人の所得が少なくても、保険料の減免対象から外れるケースが多いのです(ただし、親が会社の社会保険に加入していて、子どもが国保加入のケースに限る)。
国民年金の保険料免除(一部または全額)制度も同じで、親に一定以上の所得があれば、保険料の免除は受けられません。
要するに、「親が裕福だったら、親に面倒を見てもらってください」としているわけですが、ただ一緒に住んでいるだけで、親からは一切援助を受けていない人にとっては、そのような処遇は、理不尽に感じるでしょう。
そういったデメリットを解消する方法として、ここ数年、一般にも広く知られてきたのが「世帯分離」という方法です。
これは、住民票上の世帯が親と一緒になっている状態の人が、自分一人、別世帯の住民票にしてもらう手続きのことで、今やどこの役所でも、割と簡単に認めてくれます。
単に同居しているだけで「同一の世帯に属する」訳ではありません。
生計が同一、つまり生活費を賄う財布が同じな場合に、はじめて「世帯が同一」とされるのです。
したがって、同じ住所に住んでいても、生活費を賄う財布が親と別であれば、世帯を分離することには何ら問題ありません。
親と同居していると受講給付金を受けるのは難しい
では、求職者支援制度における受講給付金の申請にあたっても、親と同居しているばかりに、支給要件を満たしていない人が世帯分離をすれば、自分一人の収入で審査されることになって、支給要件を満たせるようになるのでしょうか?
残念ながら、そうはなりません。
受講給付金の支給要件には、「『世帯』とは、本人のほか、同居または生計を一つにする別居の配偶者、子、父母が該当」となっていて、住民票上はどうであれ、「同居している」というだけで、親(または子)の収入・資産が審査対象になるからです。
実際の事務手続き上、提出された住民票からは、世帯分離しているかどうかはわかりませんが、いまのところハローワークとしては「本人から、同居の家族を申告してもらう」のが基本のスタンスですので、世帯分離していても、もし親と同居していることを申告していなかったら、虚偽の申告ととられかねません。
親と同居している場合は、必ず申出るようにしましょう。
間借りであっても、そこに居住実態さえあれば問題解決
そこで、検討したいのが、家を出るという選択です。
おやと実家で同居する生活は、生活コストが低く抑えられたり、家事の苦労がない反面、危機感が希薄なため、本気で自分の生活を変えていこうとするやる気がなかなか湧いてこないものです。
やる気を出して新しいことに取り組むには、環境を変えるのが効果的です。
自分一人でアパートの家賃を負担する余裕がない人は、親戚や友人の家に間借りさせてもらうという選択肢もあります。
間借りであっても、そこに居住実態さえあれば、自分一人の住民票を取得できます。
ルームシェアのパートナーを募集している人を探してみるのもいいかもしれません。
ルームシェアなら、初期費用も含めて、一人で部屋を借りるよりもはるかに費用を抑えることができます。
引越しをすると、一時的には出費がかさみますが、国民健康保険料の保険料が安くなったり、国民年金保険料の免除が受けられたりすることで、その分を差し引いた実質的な負担は、かなり軽減されるかもしれません。
心機一転して、再就職する環境を整えるためにも、自宅を出て新しい生活のスタートを切ることも検討してみるべきです!
まとめ
受講給付金の支給要件には、「『世帯』とは、本人のほか、同居または生計を一つにする別居の配偶者、子、父母が該当」となっております。
つまり、
・本人収入が月8万(年収96万円)円以下、かつ世帯全体の収入がつき25万円(年300万円)以下
・世帯全体の金融資産が300万円以下
の場合、給付を受けることはできません。
思い切って家を出る選択をするのはどうでしょうか。
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