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飲む中絶薬の製造販売承認を了承 中絶薬の平均卸値は千円程度

飲む中絶薬の製造販売承認を了承 中絶薬の平均卸値は千円程度

厚生労働省の医薬品第1部会が国内初の経口妊娠中絶薬の製造販売承認を了承しました。

薬事分科会で3月にも正式に承認される可能性があり、現場の医師や当事者は「女性の選択肢が広がる」として心身の負担軽減を期待しています。

ただ、服用後の緊急対応や、薬の価格設定が高くなるのではと懸念する声もあります。


詳しく解説していきます。


国内初の経口妊娠中絶薬の製造販売承認を了承

国内初の経口妊娠中絶薬の製造販売承認を了承

服薬は世界保健機関(WHO)も推奨している安全な中絶方法です。

日本での承認は遅すぎるという声もあります。

オランダでは中絶が全額公費負担で、患者には、人生設計や避妊についてのカウンセリングも丁寧に行われています。


それに対し日本の中絶は手術が一般的で、子宮内の胎のうなどを金属製器具を使ってかき出す「掻爬(そうは)法」と、管で吸い出す「吸引法」があります。

掻爬法はWHOが2012年発表の指針で「時代遅れ」とした手法です。


中絶に関しては、望まない妊娠をしても安全に中絶できること。そして希望した時にまた妊娠できるような正しい情報を患者に提供することが大事です。


経口中絶薬は70カ国以上で使われている

経口中絶薬は70カ国以上で使われている

経口中絶薬は70カ国以上で使われているとされています。

日本で審議が進むのは、英製薬会社ラインファーマが2021年に承認申請した「メフィーゴパック」です。

妊娠9週までを対象とし、まず妊娠継続に必要なホルモンを抑える1剤目を服用し、36~48時間後、子宮を収縮させる2剤目を服用します。

国内の臨床試験(治験)では、服用後24時間以内に93%の中絶を確認できました。

腹痛や嘔吐(おうと)などの副作用が6割に出ましたが、多くは軽度や中等度でした。


服薬後に帰宅し、胎のうなどの排出がうまくされなかったり、痛みや出血が起きたりした場合の診療体制が必要になります。

厚労省は、当面は緊急時に備え有床医療機関で使用することを条件にする見通しですが、最初は入院で扱う病院が多いと予想されています。

有床施設だけでは中絶希望の患者に対応しきれないため、今後、施設間の連携も重要になります。


世界で中絶薬の平均卸値は千円程度

世界で中絶薬の平均卸値は千円程度

日本では、中絶は自由診療のため医師側が価格を設定し、手術費用が十数万円以上になることが多いです。

世界で中絶薬の平均卸値は千円程度といわれています。

しかし日本では、薬も手術費用並みの高額になってしまう可能性があります。


薬の価格が高い上、入院も必要となれば、希望に反して日帰り手術を選ぶ人が出かねません。


まとめ

まとめ

厚生労働省の医薬品第1部会が国内初の経口妊娠中絶薬の製造販売承認を了承し、同省が2023年2月末まで意見公募をしています。

薬事分科会で3月にも正式に承認される可能性があり、現場の医師や当事者は「女性の選択肢が広がる」として心身の負担軽減を期待しています。


服薬は世界保健機関(WHO)も推奨している安全な中絶方法です。

日本での承認は遅すぎるともいえるでしょう。


経口中絶薬は70カ国以上で使われているとされています。

世界で中絶薬の平均卸値は千円程度といわれています。

中絶に際しては母体保護法で本人と配偶者の同意が必要と規定されており、薬も同様の扱いになるとみられています。

この配偶者同意が女性の自己決定権の壁になっている場合があるので、薬の承認を機に、法の見直しについても意見が出ています。


日本は中絶や避妊などへの理解が諸外国と比べて周回遅れと指摘されてきました。

例えば、国連が19年に実施した避妊方法に関する国際調査で、ピルの使用割合はフランス(33%)や米国(14%)に比べて日本は3%にとどまっています。


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