この記事では、「職業訓練のメリット・デメリット」について解説していきます。
転職したいと考えている人や、失業してしまった人にとって非常に力強い味方になるのがこの『職業訓練』です。
職業訓練について聞いたことはあるが、よくわからず敬遠している人もいるのではないでしょうか?
実はそれ、ものすごく損な事なのです。
職業訓練のメリット・デメリットを理解して、再就職を有利にしましょう。
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職業訓練のメリット
職業訓練には、主に下記の7つのメリットがあります。
- すぐに失業手当が支給されるようになる
- 失業手当が延長される
- 各種、手当がもらえる
- 就職先を紹介してもらえる
- 無料で専門知識が習得できる
- 規則正しい生活を送ることができる
- 友達ができる
- 十分な休日がある
それぞれ詳しく解説していきます。
1.すぐに失業手当が支給されるようになる
自己都合で会社を退職した場合、失業手当は待期期間満了の翌日から2か月間は給付制限のため、手当をすぐに受けることができません。
しかし、職業訓練を開始すればこの給付制限を解除することができるのです。
つまり、職業訓練校に通い始めたその日から、すぐに給付金を受け取る事が可能になります。
職業訓練校には在職中にも申し込みが可能ですので、退職予定の方は在職中から職業訓練校を探すことをおすすめです。
職業訓練校に通う事で、無収入の期間を最短にする事ができます。
2.失業手当が延長される
職業訓練の1番のメリットは、なんと言っても失業手当をもらいながら通えることです。
入校時に雇用保険の受給資格があり、なおかつハローワークで訓練を受ける必要があると判定された人は、訓練終了までその給付が延長されます。
たとえば、失業手当を90日分もらえる人が、80日分もらったところで6ヶ月の訓練をスタートした場合、本来は入校して10日で手当が切れますが、訓練延長給付という制度が適用されて、訓練終了まで9カ月近くも手当をもらえることもあるのです。
3.各種、手当がもらえる
職業訓練を受けることになると、失業手当もほかにも、受講手当(日額500円:最長で40日まで支給されるので、最大で20,000円)が支給されます。
他にも、条件を満たすことで通所手当(交通費実費)、寄宿手当、移転費などが支給されます。
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4.就職先を紹介してもらえる
訓練校はどこでも、地元のハローワークと緊密に連携して在校生に就職を紹介する体制を取っています。
ただし、就職率は千差万別です。最も就職率が高いのが新卒者向けの長期コースで、100%近い就職率を誇るコースも珍しくありません。
これまでに数多くの卒業生を送り出している訓練校ほど、OBをとおして求人がたくさん来るためで、その地域における産業界の貴重な人材供給源となっているスクールもあります。
逆に、最近新設されたコースや、民間の専門学校で行われるイレギュラーな委託訓練コースは、全般的にいって、就職率はあまり高くありません。
事務系の委託訓練のなかには「15人クラスで、就職できたのは2~3人」なんていうコースもあるくらいです。
それでも、何のあてもなく自力で就職活動をしないといけない人からみれば、スクールが就職に必要な知識・技術を身につけさせてくれたうえ、就職のバックアップまでしてくれるのは、実にありがたいシステムといえます。
5.無料で専門知識が習得できる
職業訓練のコースには、WEBデザインやWEBクリエイター、アプリ開発、プログラミング、医療、美容などな、さまざまな種類が用意されています。
これらの訓練は無料で受けることができます。
しかも、失業給付金を貰いながら勉強ができるのです。
6.規則正しい生活を送ることができる
失業してしまうと、毎日決まった時間に起きる必要がなくなり、自堕落な生活を送ってしまいがちです。
学生時代を思い出してほしいのですが、学生時代は毎日決まった時間に起床していたはずです。
職業訓練は専門学校と比べられることもあり、学生生活を送る環境に非常に似ています。
そのため、職業訓練を始めると自然と規則正しい生活を送ることができるようになるのです。
7.友達ができる
友人はどのようにできるかというと、学校や職場、習い事などのコミュニティーから発展することが多いです。
社会人になると、精力的に活動しないかぎり職場だけの狭い範囲のコミュニティーに陥りがちです。
職業訓練を受けることになれば、日頃はあまり積極的でない方でも職場以外の人と関わることになります。
職業訓練にはさまざまな人がやってきます。
友達を作るチャンスでもあります。
8.十分な休日がある
職業訓練校の休日は、土日が休みの週休2日制です。
6カ月以上のコースになると、夏休み、または冬休みがあります(1年以上のコースはその両方、2年コースのみさらに春休みが有ります)。
夏休みは7月末から8月中旬までの2~3週間、冬休みは12月20日過ぎから2週間前後が一般的です(まれに夏休みが1カ月あるところも)。
雇用保険の延長給付をされた人は、休暇期間中も失業手当をもらえるため、長期休暇はかなりお得な制度です。
職業訓練のデメリット
職業訓練には、主に下記の4つのデメリットがあります。
- クラスに馴染めないと孤立する
- 卒業後に就職するプレッシャーがかかる
- 授業についていけなくなってしまうことがある
- 失業期間が長くなってしまう
それぞれ詳しく解説していきます。
1.クラスに馴染めないと孤立する
職業訓練校は、専門学校と比較されることが多いように、環境や雰囲気が非常に似ています。
学生生活を送った経験のある方なら何となくイメージできると思いますが、陽気な人やコミュ力の高い人たちのグループが形成され、クラスの中心となります。
陰気な人は、その気質の者同士で仲良くなれれば問題はないのですが、それにすら馴染めず一人でいるようになると、完全にクラスで孤立することになります。
2.卒業後に就職するプレッシャーがかかる
職業訓練校は、新たなスキルを身につけて再就職できるようにするために存在しています。
学校側からしてみると、卒業生がきちんと就職したかどうかの『就職率』が重要になってくるのです。
そのため、学校側は一人でも多くの卒業生を就職をさせるために、さまざまな努力をすることになります。
早く再就職したいと思っている人にとってはありがたいことですが、もう少しのんびりしたいと思っている人にとってはつらく感じるかもしれません。
3.授業についていけなくなってしまうことがある
職業訓練校の授業は専門的なものになります。
そのため、より突っ込んだ内容になるため、人によっては難しく感じることもあります。
中には、授業についていけなくなり、せっかくの訓練時間が苦痛になってしまう人も出てきます。
職業訓練校に通うなら、疑問点はその日に解決しましょう。
4.失業期間が長くなってしまう
再就職をするにあたって、企業に採用されるためには失業期間は短い方が良いとされています。
しかし、職業訓練を受けるとどしても失業期間が長くなってしまいます。
失業期間中の過ごし方が、「職業訓練を受けたいたのなら問題なし」と評価してくれる企業なら問題はないのですが、そうではない企業ですと、面接で不利になってしまいます。
面接の時には、職業訓練で手に入れた資格やスキルなどを熱心に伝えて、実りのある時間だったことを証明しましょう。
そのためにも、職業訓練校に通うなら、学んだことをアピール出来るように資格を取ることをおすすめします。
まとめ
さいごに、職業訓練校のメリット・デメリットをまとめておきます。
職業訓練7つのメリット
- すぐに失業手当が支給されるようになる
- 失業手当が延長される
- 各種、手当がもらえる
- 就職先を紹介してもらえる
- 無料で専門知識が習得できる
- 規則正しい生活を送ることができる
- 友達ができる
- 十分な休日がある
職業訓練4つのデメリット
- クラスに馴染めないと孤立する
- 卒業後に就職するプレッシャーがかかる
- 授業についていけなくなってしまうことがある
- 失業期間が長くなってしまう
職業訓練にはデメリットもあるものの、再就職したいと考えている人にとってはメリットばかりが光ります。
スキルや知識を身につけようと思ったら費用が発生するのが当たり前のところが、逆にお金を貰いながら勉強できるわけですから。
再就職に悩んでいる人は、職業訓練を受けてみてはいかがでしょうか?
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